不気味で素朴な囲われた世界(西尾維新)

昨日は西尾維新を読みました。

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

読者みんな初期戯言初期戯言うるさいから初期戯言ふうのを手遊びに書きました。みたいな感じ。普通。
さらに言うならオチが有名なジョークとかぶる。


本当は「うろおぼえウロボロス」にかこつけマスクドヒーローの話を延々しようと思ったけどパス。にしても初恋限定面白いですよね。

補足

これではさすがに感想でもなんでもなくもっと別の何かなのできちんとそれっぽいものを書きたい。
不本意な探偵」というものがある。聞いたことのある人は少ないだろうが、それもそのはず今僕がでっち上げた言葉だからしょうがない。つまり「不本意ながらも探偵の役割を背負わせられるキャラ」、旅先で殺人事件が起き学校で殺人事件が起き出先で殺人事件が起こるようなキャラクターのことである。このように見た目は普通の高校生など作りの自然なキャラに自然な流れで探偵役をやらせようとすると、不自然さが必然的に生じ、連続して不本意な探偵を演じるとなるとこれはもう不自然さの塊である。一連して犯人であるか、特定条件下で殺人事件の起きる確率を上昇させるスタンド使いか何かである。
ソビエトロシアでは閑話が僕を休題する。ではその種の不自然さをどう回避するのか。旅先で殺人事件を起こさない少年、あるいは少女探偵はどう造形するか。そのひとつが安楽椅子探偵である(そうすると今度はキャラの作りに不自然さというか中二っぽさというかそんなものが入ることになるが、誰もが安心して旅行に行くためにはその程度は必要な犠牲である)。
安楽椅子探偵、ということは情報の収集その他の雑事を誰か別人がやらなければならない。そしてその誰かとコミュニケイションを取らなくてはならないが、本作に出てくる安楽椅子探偵は喋らないのである。なら推理結果をどう出力するのかが問題になるが、そこはこれ。助手兼主人公の少年が彼女の表情を読み取り僕ら読者のために教えてくれるのだ。便利!てゆーかすすすすごい!
でもなにが信用されないってこの世に西尾維新作品の主人公と殊能先生の「仕事してます」ほど信用できないものはないので、彼の話す彼女の推理結果は言わば二重に信用ならない。もしも僕がこの作品にどこか地に足のつかない収まりの悪さを感じるなら、恐らくはそれか何かが原因なのだろう。

補足2

もちろん一番好きな少年誌はチャンピオンなのだけれど、ジャンプを読むと地力の差めいたものを感じずにはいられないな。あとマディに火のキメラ水のキメラとかが出てきて途中からバトル展開になったりしませんように。