爆発星雲の伝説(ブライアン・オールディス)

そして今日はオールディスの短編集を読みました。

表題作、ペテン師的主人公が化け物だらけの惑星から何とか逃げ出そうと頑張るさまは結構おもしろい。あと、内宇宙めいたたわごとが延々と続き最後に驚きのオチが明かされる「断片」、兵士の日常と戦いの風景を描いた「心臓とエンジン」など。
だが一番面白かったのは、不時着した惑星で一人原住民の神を演じる「神様ごっこ」だろう。話は彼が神となった時点よりももっと後の場面から始まる。具体的には彼の元を訪れた調査隊が原住民とそのペットの生態を調査し、秘められた歴史を解明し去っていくというただそれだけのものなのだが、原住民の神を演じる彼の哀愁とやり場のないネガティブな感情はなかなかに神様らしい重々しいものがある。