トランスフォーマー

トランスフォーマー観にいきました。
監督があのマイケル・ベイ(「アルマゲドン」「パールハーバー」)だし、どう考えても話が面白くなるわけがない。そう高をくくってロボがロボロボ動くのだけ鑑賞する覚悟で行ったのですが、あにはからんやこれがなかなか。

思うにマイケルって天然ちゃんなんですよね。それも「ディテールに神が宿る」て考えを信奉して全体をおろそかにしちゃうタイプの。そんで苦心して作り上げたディテール、要りもしない小ネタがことごとく滑っているっていう。萌えキャラ以外の何者でもない。


例を挙げましょう。ラスト近くで足を負傷し動けなくなったバンブルビー(いいもん)をですね、ヒロインがレッカー車にくくりつけて逃げるわけです。そんで一息ついたところにヒロインが一大決心をしてこう言います。
「あなたが撃って。私が運転する」
そしてレッカー車にくくりつけられたバンブルビーは敵を銃撃し、無事撃破します。
一見感動のシーンに思えますが、よく考えてみると面白いですよね。どんな二人羽織りだよという話ですし、大体バンブルビーの攻撃中はレッカー車ものすごい勢いでバックしてるんですよね。ジョン・レノンの歌のように一歩引いて想像してみましょう。
超スピードでバックするレッカー車!荷台にくくりつけられ、仰向けの状態で銃を乱射する黄色いロボ!敵に当たった!やった!勝った!
……このように「パッと見は感動だが、よく考えるとアホっぽい」というシーンこそマイケルの作劇の基本なのであり、それがストーリー全体についても言えることはカオス理論からも明らかと言えましょう。


大体俺たちは踊らされすぎなんですよ。「アルマゲドン」公開前は「考証も滅茶苦茶だし破天荒馬鹿映画として観るべき」なんて言ってたはずなのに、封切られて「感動する超泣ける」とかいう評判がたつと手のひらを返したように褒め称える映画雑誌だとか、それに過剰反応してマイケル叩き出す昔の俺とか。もっと自分自身の確固とした意見を持ちたいですし、マイケル・ベイ監督はこれから要注目映画監督になりました。俺の中で。