蜘蛛の巣のなかへ(トマス・H・クック)

今日はトマス・H・クックを読みました。

蜘蛛の巣のなかへ (文春文庫)

蜘蛛の巣のなかへ (文春文庫)

さて、トマス・H・クック。へこみ系ミステリを書かせれば右に出るもののいない職人である。とくに「記憶三部作」の読後感たるやなかなかのものがあるし、ユタ州を舞台にした『神の町の殺人』の場合は暗黒の中にどこか爽快感のあるラストが素晴らしい。この『蜘蛛の巣のなかへ』も記憶三部作と同じく「過去の事件の真相を探る」ものだから、当然のようにへこむラストが待っているのだろうなあと思いきや、父との和解という王道展開のあとに待っていたのはそれなりに感動的なラストだったのだ。俺の期待を返せ!