MARVEL 1602(ニール・ゲイマン、アンディ・キューバート)

Marvel 1602

Marvel 1602

なんという黄金コンビだろーか。英国人ゲイマンが英国を舞台にしたマーベルヒーローものを作るというのも少し面白い。
内容はエリザベス一世の下で繁栄を誇った英国がその老いとともに内外に乱れを感じられるようになってきた17世紀初頭、もしマーベルヒーローがいたら……というイフもの。なんかこんなのばっかりだなあ。

“GOTHAM BY GASLIGHT”と同様、ヒーローや悪役は時代背景にマッチした役柄として登場するものの、やってることはいつもと変わらない。ラトベリアのオットー・フォン・ドゥーム伯爵は鎧と緑ガウンに身を包んで世界制服をたくらんでるし、ピーター・パーカーは能力こそないものの何回も蜘蛛にかまれそうになるし。でも奇形児を集めて教育しようとしてるカーロス・ジャビアーの「いつか世界はわれわれを受け入れてくれる、われわれが人類と肩を並べてすごせるようになる日が」という言葉に涙。400年後も世界は変わってないですよプロフェッサーX。それからマグニートーがスペインの異端審問官で、ニール・ゲイマンなりのモンティパイソンオマージュかと勘ぐった。

巻末にゲイマンのストーリー指示が一話分だけ載っているが、情報量がかなり多くて圧倒される。