民族の祭典/美の祭典

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ベルリンオリンピックの記録映画。買ったのは二本合わせて千円のやつだけど、淀川長治解説付きの少し高い版もある。大体何言ってるかは予想がつくので、安いほうを買った。
現在の過剰に装飾されたスポーツイベントと比較すると、ベルリンオリンピックはいささか素朴な感じもする。ナレーションの人なんかずいぶん淡々としたもんだし、棒高跳びにクッションがなくておののくときもある。しかし競技でのドラマチックな展開や画面の中にただ映し出される肉体の美しさは単純に素晴らしいし、ジェシー・オーエンズの超人ぶりや七十年以上前の人たちの活躍などには、たとえ彼らが既に死んでいたり記録がとうの昔に破られていたりしても、やはりワクワクする。聖火リレーやエキシビジョンの様子などには、今のオリンピックの源流めいたものも感じられるだろう。
そしてこの映画のもうひとつの側面としてナチスプロパガンダ映画であるというのがあり、画面にいきなり現われる不穏な面々には少々ビビらざるを得ないし、他にも国旗掲揚の際ナチス党旗が掲げられるのを見るときなど、それを思い出さずにはいられない。

一つ疑問に思ったこととしては、DVDのパッケージに「51か国のアスリートたちが参加し」と書かれていて実際に開会式でもそう言われているのに、今IOC公式やwikipediaなどを見てみると参加国数が49となっている。不思議なのでまた調べてみようと思う。


余談だが、ドイツのメタルバンドRammsteinはPVにこの映画の映像を用いるなどしたために、ネオナチ疑惑をかけられたという。